ソウルとまた違う!釜山の味
ともすると真っ先に候補に上がったのが、政情的にいろいろ複雑な部分はあるんですけれども、料理は文句なしに美味しい韓国。
4月のソウル行きを皮切りに「海外旅行リハビリ期間」に入り、あっという間にリハビリが終わりまして笑 5月、6月と連続してソウルに行ったあと、7月、8月と釜山に行ってまいりました。
ソウルにつきましては、ワタシが医師になりたてのころから、隙を見つけて年に2~3回、週末弾丸旅行に行っていた、いわば「旅するフリーランス女医」の原点ともいえる場所で、今までの渡韓回数は30回近くになります。
が、ソウルにそこまで行ってみて、韓国語もちょっと勉強しちゃったりすると、韓国の、他の都市で、ソウルとはまた違う一面をみて、ご当地グルメを味わいたくなるのが旅人の冒険心というもの。韓国も第2の都市・釜山や、第3の都市・大邱ともなると、ソウルほど日本人観光客も見かけず、穴場感満載です!
今回はそんな穴場の都市のなかから、海辺の街なだけにシーフード率が高い釜山のグルメを特集しちゃいます。
王道中の王道!釜山3大グルメ
「ナッコプセ(낙곱새)」:釜山来たらまずコレ!ピリ辛海鮮鍋
ナッコプセとは
낙지ナクチ=手長タコ=
곱창コプチャン=牛ホルモン=
새우セウ=海
3つの食材の頭文字を合わせて「ナッコプセ(낙곱새)」。
手長タコと牛ホルモン(小腸)、エビ、野菜、春雨などをあの赤いタレ「ヤンニョム」と一緒に鍋で煮る鍋料理です。
コレがもう、よくぞ見つけてくれたという、黄金の組み合わせ。
手長タコのみ、手長タコと牛ホルモンもしくはエビのどれかのみといった「応用編」もよくお見かけしますが、初めての場合で特にアレルギーなどないようでしたら、まずはこの3つの組み合わせでぜひ味わっていただきたいと思います。
ほぼ必ず白米と薬味がついてきますので、丼に入ったご飯にかけてビビンパのようにして食べるのがテッパンです。
インスタントラーメンなどの麺も追加して味わうのもいいです。
韓国焼酎のおつまみとしても良く合うお料理です。釜山に行ったらまずこれを食べてみるべき!逸品です。
写真のお店:ケミチッ(개미집)本店・西面店
写真は本店の外観です。
「ミルミョン(밀면)」:日本ではまずお目見えしない!釜山のご当地麺
日頃から、「本当に美味しい韓国料理は韓国でしか味わえない。韓国料理は現地でしか食べない」と豪語し、日本では全く韓国料理を食べない私・えりおですが、
中でも冷麺を筆頭とした「ご当地麺」は韓国料理の中でも日本では再現できていない料理の一つだと思います。
釜山で食べるべきご当地麺がこちら、ミルミョン。
ミルミョンとは
韓国語で
「ミル(밀)」は小麦、
「ミョン(면)」は「麺」。ソウルなどでお馴染み냉면=ネンミョン=冷麺の「ミョン(면)」ですね。
つまり「ミルミョン(밀면)」とは小麦粉で作った麺という意味なのです。釜山の麺は小麦ベースということなんですね!
朝鮮戦争の際に冷麺の本場である韓国北部地域から避難した人たちが、通常冷麺に使用されていたそば粉やでんぷんの代用として小麦粉を使って麺料理を作ったのが始まりとされるそうで、元々は冷麺の流れを汲んだ料理だそうです。
麺は日本の焼肉屋さんでお目見えする盛岡冷麺に似た食感かもです。が、スープは日本のどこでも食べられない、ちょっと甘辛な風味ですよ!
こちらもこの地方ならではですので、ぜひ楽しんでいただきたいです。
写真のお店:春夏秋冬ミルミョン(춘하추동밀면) 海雲台店
このお店に、2人以上で行かれる場合は、サイドメニューに蒸し餃子=マンドゥ(만두)もオーダーし、絶妙な組み合わせを楽しんでみてください!
あとは「テジクッパ(돼지국밥)」で釜山3大グルメをコンプリート!
デジクッパとは
韓国語で
「テジ(돼지)」は豚、
「クッ(국)」はスープ、
「パ(밥)」はご飯を意味します。
釜山が一角を担う、韓国南東部の慶尚道(경상도)地方の郷土料理です。
朝鮮半島の北部(現在の北朝鮮)で食べられていた料理が、1950年に起こった朝鮮戦争をきっかけに、釜山へと避難してきた北部の人たちが伝えたのが由来で、釜山でよく食べられるお料理の一つとなっております。
牛肉がなかなか手に入らなかった時代に、牛肉の代わりに豚骨を長時間煮込んで作ったのだそうで、豚肉の各部位を煮込んだスープにご飯を入れて味わいます。
お店によっては無料でついてくる付け合わせのお素麺をinするのも、途中からキムチなどの薬味を入れて「味変」するのも楽しいです。
一人旅でも気軽に食べられるテジクッパは。ナッコプセ・ミルミョンに並んで、釜山旅行の必食メニューです。
写真のお店:水営本家テジクッパ(수영본가돼지국밥)
お腹に余裕があれば、韓国焼酎片手に、スユッ(수육=ゆで豚)もオーダーしてみてください!
さて、ここまでで、釜山3大グルメを網羅しましたが、
ここまでだとガイドブックレベルでしょ笑
さらに突っ込んでもう4品、お届けします!
釜山でこそ味わえる!?知られざる絶品&珍グルメ4選
「ミヨックッ(미역국)」:誕生日や妊娠・出産時のお祝いグルメ=ワカメスープ
「ミヨッ(미역)」=わかめ
そして「クッ국」=先ほどテジクッパで登場した「スープ」の意でしたね。
韓国ドラマで、誕生日のテッパングルメとして、出没率高し、です。
8月に滞在した海雲台にほど近い、マリンシティに名店があると聞きつけ、それこそ「ワカメちゃん」というあだ名の友人と食べに行きました笑
ワカメスープと言っても、コレだけのおかずとともに出てきます。
ひとえにワカメスープといえども、あっさり塩味、牛肉入り、お魚入り、はたまた牡蠣入り、アワビ入りに至るまで!
バリエーション豊かですが、我々は基本に忠実に(!)、さわやか塩味をオーダー。
そのまま味わってもよし、白いご飯を入れてもよし、キムチを入れて味変もよし、というのはここでも変わりません。
写真のお店:プンウォンジャン(풍원장) マリンシティ店
アワビ粥「チョンボッチュッ(전복죽)」
釜山の朝ごはんに、食べたくなるのがアワビ粥。
ソウルでも食べられるじゃん、と言われればそれまでなのですが、海産物が美味しい釜山だからこそ、ソウルにいる時以上に食べたくなってしまうのです。
写真のお店:済州家(チェジュガ제주가)
どうでもいい話ですが、このお店のお姉さん、韓国の大ヒットドラマ『愛の不時着』でヒロインを演じた女優のソン・イェジンさんにそっくりでした!笑
お刺身「フェッ(횟)」
韓国のお刺身は豪華絢爛!
定食というよりコースと言っていいスタイルで「映え」要素も満載です。
どうも、いろいろ検索していると、日本の方はチャガルチ市場で食べられる方が多い!?ようなのですが、ワタクシ的に釜山のお刺身といえば広安里(クァンアンリ광안리)!
先日、広安里民楽刺身センター(광안리 민락회센터)内にある多数のお店の中から、Googleマップで評価の良かったお店をピックアップして、うかがいましたが、広安里ならではの、この眺め!
下の階にある市場で食べたいお魚をピックアップし、お店で調理してもらっても良いのですが、
お魚に詳しくなかった我々、そもそもお魚を見た目で選別できるわけもなく、さらに、お魚の名前表記が韓国語…汗 ハングル読めはしますが、魚の固有名詞ともなると、一つ一つ日本語訳を調べる気力まではなく…
しかしそのようなケースでも大丈夫! お店のおすすめを見繕っていただき、コースに仕立てていただくことができました。
韓国では、お刺身もこのように、巻き巻きしていただきます。
ちなみに、お刺身の横に写っているコーンのチーズ焼き。これお代わり自由なのですが笑、私にとってはこれが一番楽しみなメニューだったりします!?
写真のお店: キョンポ刺身店(경포횟집)広安里民楽刺身センター(광안리 민락회센터)内
ヌタウナギ「コムジャンオ(곰장어)」:ウナギ好き注目!のゲテモノ!?料理
最後に、実は釜山名物、ですが、ちょっとゲテモノグルメに近い!?インパクト大なグルメ「コムジャンオ」=ヌタウナギ焼きをご紹介しておきます。笑
釜山に行くと、ちょこちょこ見られるこの光景、
「ウナギ」と名はついていますが、我々の知るウナギとは、生物学的にそこまで近くないそうですね。
生きたまま皮を剥ぎ、内蔵を除いたヌタウナギをぶつ切りにし、本来はまだ動いている状態で鉄板に乗せて運ばれ、それを火にかけ、焼いて食べるらしいのですけど(!)お店では、我々が外国人だったからか、すでに焼かれて火が通った状態で出てまいりました。
韓国の焼肉やお刺身、ウナギ焼きと同じく、巻き巻きしていただきます。
食感は、ウナギに近いように思いましたが、タコに近い、という表現も聞きますね。ゲテモノ、と言いますけど、ウナギに馴染みのない外国の方が、ウナギを食べると、こういうイメージなんじゃないの、と思ったりもしました。
〆に、ご飯を加えてポックンパッ(볶음밥)=韓国風チャーハンとするのがおすすめです!
写真のお店:一番地チャガルチサンコムジャンオ(일번지 자갈치 산곰장어)
釜山でグルメを楽しむために
ハングルは(意味がわからなくても)読めるようにしておくべし!!
ハングルは表音文字で、母音と子音が記号で記されたものです。
ローマ字表記をイメージして頂けるとわかりやすいですかね。
韓国語は、母音が10個、子音が19個、それぞれに文字が一つずつ当てはめられており、それを組み合わせて表示してあるだけです。
ゆえに、ゆえに、あの文字、初めは面食らうかもしれませんが、皆さんが思うほどハードルは高くないです。数時間もあれば、意味はわからなくてもハングルを読めるところまでは持っていけます。
私の友人、ハングル全く読めない状態でソウルデビューしましたが、教えたら翌日以降、少し読めるようになっていましたよ。なので、旅行前に詰め込んで、旅行終わったら忘れるんでも、じゅうぶんです笑
こうすることで、読むことができるようになってくるのが「店の名前(看板)」「メニュー」、この辺りは意味がわからなくても読むことができるだけでも、旅が楽になり、行動範囲がグッと増えることは予想がつきますよね。
日本でイメージしてください。最近こそ外国語表記や外国語メニューが増えてきましたが、日本国内で外国語が使われているところ、日本に住む我々からしたら、「全てのエリアが網羅されている」とは言いがたいですよね? 日本語しか通じない、日本語メニューしかない、でもステキなお店、まだまだ沢山ありますよね。
韓国も同じです。
「日本語が通じるエリア」「日本語メニューの置いてあるお店」、ハングルを読める立場からすると一部に限られている印象です。
一方でハングルでしか店の看板が出ていないお店、韓国語表記のメニューしかない美味しいお店、韓国人で満員だけど、日本人はあまりきてないお店、たくさんあります。日本と同じです。
地下鉄など抵抗なく利用できて、あまり日本人観光客が行かないようなところにも足が伸ばせるようになれば、それだけ食べられる美味しいものも増えてくるというもの!
韓国語が話せなくても、ハングルはぜひ半分でも読めるようにしてみてください。きっと旅が面白くなるはずです。
なるべくわかりやすさを意識して書かせて頂いたハングルの読み方記事はこちら
直近のクチコミは必ず確認すること
ごくたまに、「何代にもわたって続く老舗」や「変わらぬ味」「何年も値段据え置き」とといったものを「粋」とする考えが日本ほどない店に遭遇します。
客が増えるとすぐ値段を上げて味を落とす、有名・著名人やテレビ取材でいいものを出しても、日本人とわかると粗悪品を出す、現地のお客さんの値段と日本人向けの値段設定を変えてくる、なんてのはざらで、決して珍しくありません。
とってもいいお店だったのに、ある程度儲かったらやめちゃって、ハワイに移住(泣)
なんて若干羨ましいことも。
先に挙げた、「ハングル読めた方が良い」というのはこういった背景もあったりします。
あまり、外国人観光客の出入りしないエリアで、地元韓国人がたくさん入っている素朴な飲食店の方が、間違いがないのです。
最近、だいぶインターネットのクチコミが浸透してきています。おすすめはGoogleマップとNEVERマップのクチコミを比較することです。この両方で評価が高ければ間違いないですので!
行くお店に関してはなるべく最新の情報を、
そしてお店に行ったらお客さんの入り具合を、
必ず確認してから入られてくださいね!!
以上、長くなりましたが、自分が知るところを綴ってみました。
また気づいたことあったら更新させて頂きますね☆
みなさま、良い旅を!!